フローレンス・ピューが描く『サンダーボルツ*』エレーナのリーダーシップ進化論:トラウマからチーム統率へ

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マーベル最新作『サンダーボルツ*』で再びエレーナ・ベロワを演じたフローレンス・ピュー。本作では、姉ナターシャの死に苦しむ暗殺者が、不完全なチームのリーダーとして成長する姿が描かれています。ピュー自身がスタントを断行し、キャラクターの内面と向き合った演技は、従来のMCU作品とは一線を画す深みを表現。本記事では、エレーナのリーダーシップの課題と、フローレンス・ピューが役柄に込めた想いを徹底分析します。

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エレーナ・ベロワのキャラクター変遷:『ブラック・ウィドウ』から『サンダーボルツ*』へ

フローレンス・ピューが演じるエレーナ・ベロワは、『ブラック・ウィドウ』で初登場した時とは大きく変化しています。『ブラック・ウィドウ』時代のエレーナは、人生を楽しむことに貪欲で、ベストのポケットに小物を詰め込むことに喜びを見出すような、無邪気な一面を持ったキャラクターでした。しかし、姉ナターシャの死は彼女を根本から変えてしまい、『サンダーボルツ*』では「生きる目的を見失った暗殺者」として描かれています。

「悲しみは醜く、恥ずかしく、苦しいもの。でも、それがあるからこそ、本音でぶつかる価値がある」とピューは語り、エレーナのグリーフ(悲嘆)を演技に反映させました。この感情の変化は、彼女のリーダーシップスタイルにも大きく影響しています。

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エレーナのリーダーシップスタイル比較表

特徴『ブラック・ウィドウ』時代『サンダーボルツ*』時代
性格明るく無邪気、人生を楽しむ悲しみに沈み、目的を見失う
行動原理個人の好奇心と喜びチームの生存と贖罪
他者との関わりナターシャに依存チームメンバーと対等に向き合う
弱点未熟で衝動的過去のトラウマに縛られる
強み柔軟な思考苦しみを理解する共感力

世界第二位の高層ビルからのダイブ:フローレンス・ピューの身体を張った演技

『サンダーボルツ*』の冒頭シーンで、エレーナはマレーシア・クアラルンプールの超高層ビル「ムルデカ118」(高さ678.9m)から飛び降りるという壮絶なスタントを敢行します。当初、マーベル・スタジオは保険の問題などを理由にスタントダブルの使用を検討していましたが、ピューは自らケヴィン・ファイギに直訴し、このシーンを自分で演じることを認めさせました。

「高いのは大丈夫。高所恐怖症じゃないから、好きだし楽しめるんだけど、あれはまったく別次元だった。精神コントロールが必要で、まさにあれこそ、スーパーパワーだった」とピューはこの体験を振り返っています。アドレナリンの放出により、撮影後3時間も眠り込んでしまうほど、このスタントは過酷なものだったそうです。

この身体を張った演技は、エレーナというキャラクターの「危険を厭わない」性格を象徴すると同時に、フローレンス・ピュー自身のプロフェッショナリズムをも表しています。スタントチームと協力してこのシーンを完成させたことは、映画のチームワークテーマとも重なり、ピューがスクリーン内外でリーダーシップを発揮した証と言えるでしょう。

不完全なチームを率いるエレーナのリーダーシップ哲学

『サンダーボルツ*』のチームは、従来のアベンジャーズのような「完璧なヒーロー集団」ではありません。元ヴィランや挫折を味わった元ヒーローたちが集まった「問題児チーム」です。そんな中でエレーナが発揮するリーダーシップは、従来のMCU作品では見られなかったユニークなものです。

「この映画は、ただのアクションではない。恥や喪失、心の痛みと向き合う人々の物語であり、観客にとっても救いになるはず」とピューは強調しています。エレーナのリーダーシップの核心は、チームメンバーそれぞれのトラウマや苦しみを理解し、共感する能力にあります。

特に印象的なのは、レッド・ガーディアン(デヴィッド・ハーバー)との感情的な対立シーンです。脚本には当初、軽妙なやり取りが書かれていましたが、ピューとハーバーは「もっと深い話をさせるべきだ」と提案。結果、長年触れられなかったナターシャの死をめぐって2人が激しくぶつかり合い、最終的には和解するという感動的な場面が生まれました。

「叫び合って、ようやく愛を伝えられる」というピューの言葉通り、エレーナのリーダーシップは「完璧さ」ではなく「本音でぶつかる勇気」によって成り立っています。これは、従来のMCUヒーロー像とは一線を画す、新しいタイプのリーダー像と言えるでしょう。

フローレンス・ピューが語るエレーナの未来:『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』へ向けて

『サンダーボルツ*』の後、エレーナ・ベロワは『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』でさらに重要な役割を担うことが予想されています。ピュー自身も「彼女がようやく幸せを感じていることを願っている。再び彼女の魅力的な明るさを見せられる機会になるはず」と期待を込めています。

しかし、この成長の過程にはファンからの賛否両論もあります。一部のファンは、『サンダーボルツ*』でのエレーナの行動が「これまでのキャラクターの成長を考えると不自然」と感じているようです。特に映画のクライマックスでの決断は、『ブラック・ウィドウ』や『ホークアイ』で築かれたエレーナ像からかけ離れているという指摘もあります。

こうした意見に対してピューは、「エレーナは数年間のかなりトラウマ的な出来事を経て、全く別人になった」と説明。悲しみと向き合う過程で人は大きく変化するものであり、それがキャラクターの深みにつながると考えているようです。

『サンダーボルツ*』は、エレーナが「ナターシャの妹」という立場から脱却し、独自のリーダーとしての道を歩み始める物語でした。フローレンス・ピューがその成長過程を繊細に演じきったことで、MCUの新たなヒーロー像が誕生したと言えるでしょう。今後の『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』では、さらに成熟したエレーナの姿が見られることが期待されます。

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