ispace「HAKUTO-R」ミッション2、月着陸機「レジリエンス」月面着陸ならず - 通信途絶で着陸確認困難、ミッション終了を正式発表

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ispace「HAKUTO-R」ミッション2、月着陸機「レジリエンス」月面着陸ならず – 通信途絶で着陸確認困難、ミッション終了を正式発表

ispace「HAKUTO-R」ミッション2、月着陸機「レジリエンス」月面着陸ならず – 通信途絶で着陸確認困難、ミッション終了を正式発表

日本の民間宇宙企業株式会社ispaceは、2025年6月6日未明、その月面探査プログラム「HAKUTO-R」の第2弾となるミッション2「SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON」において、月着陸機「RESILIENCE（レジリエンス）」の月面着陸を試みました。しかし、着陸予定時刻を過ぎても通信が確立できず、同日午前9時頃からの報告会で、通信回復の見込みが立たず着陸確認が困難であると判断、ミッション2の終了を正式に発表しました。

【速報】ispace、月面着陸の再挑戦に失敗–アジア民間初の快挙ならず（UchuBiz） - Yahoo!ニュース
ispace（東京都中央区）は6月6日の午前4時17分、着陸船（ランダー）「RESILIENCE」の月面着陸に挑んだが失敗に終わった。2023年の初挑戦では月面に落下して失敗。再挑戦となったが、アジ
news.yahoo.co.jp

着陸チャレンジの経緯と通信途絶

着陸シーケンス開始: ispaceによると、日本時間2025年6月6日3時13分、ミッションコントロールセンター（東京）からレジリエンスに対し、月面への最終降下を開始する「着陸シーケンス」実行のコマンドが送信されました。
予定着陸時刻: 着陸は日本時間同日4時17分に予定されていました。
ライブ配信中の懸念: ispaceは公式YouTubeチャンネルなどで着陸の模様をライブ配信していましたが、予定時刻を大幅に過ぎてもレジリエンスとの通信が確立できない状態が続きました。配信中、同社スタッフはこの異常な状況を認め、懸念を表明しました。
搭載物: レジリエンスには、ispaceの欧州法人「ispace EUROPE」が開発した小型月面探査車「TENACIOUS（テネシアス）」をはじめ、複数の顧客ペイロードが搭載されていました。テネシアスによる月面探査実現の期待も潰えることとなりました。

ミッション終了の正式発表

報告会での発表: 日本時間6月6日9時頃から開かれた記者報告会で、ispace創業者兼CEOの袴田武史氏は、これまでのあらゆる努力にもかかわらずレジリエンスとの通信を回復できず、月面への着陸成功を確認することが極めて困難であるとの判断を示しました。
ミッション2終了宣言: この判断に基づき、袴田CEOはミッション2の終了を宣言しました。レジリエンスの状態や着陸の成否についての詳細な分析は、取得済みのテレメトリーデータを基に今後行われると説明されましたが、現時点では着陸失敗が濃厚です。
前回ミッションの教訓: 2023年4月に実施された「ミッション1」でも、着陸機「HAKUTO-R ミッション1ランダー」が月面着陸直前に通信を途絶し、失敗に終わっていました。ispaceはその教訓を活かし、ミッション2の機体設計や運用プロセスを見直していましたが、残念ながら再び通信途絶という事態に見舞われました。

民間月面探査への挑戦と今後の展望

民間初の月面着陸目指す: ispaceは「民間企業として世界初の月面着陸成功」を大きな目標として掲げ、HAKUTO-Rプログラムを推進してきました。ミッション2はその目標達成に向けた重要なステップでした。
2度目の挫折: 今回の結果は、同社にとって2度目の月面着陸失敗となり、民間初の快挙達成はまたしても先延ばしとなりました。宇宙開発、特に月面着陸の難しさを改めて浮き彫りにしました。
ミッション3への影響: ispaceは既にミッション3の計画を進めており、NASAの「CLPS（Commercial Lunar Payload Services）」プログラムの一環として、より大型の着陸機で月面への物資輸送を目指しています。今回の失敗がミッション3のスケジュールや設計に与える影響が注目されます。
データ分析と将来への挑戦: 袴田CEOは報告会で、今回取得した膨大なデータの分析が今後のミッションに不可欠であると強調し、民間月面探査という挑戦を続ける意思を示しました。原因究明とその対策が急務となります。

まとめ:
ispaceによるHAKUTO-Rミッション2の月面着陸挑戦は、レジリエンスとの通信が着陸予定時刻後に確立できず、着陸の成否を確認できないままミッション終了という、残念な結果に終わりました。2度目の月面着陸失敗は、同社および日本の民間宇宙開発にとって大きな痛手ですが、取得データの分析とミッション3以降への挑戦継続が表明されています。民間月面探査実現への道のりが、予想以上に険しいものであることを世界に示す出来事となりました。今後の詳細な原因究明と、再挑戦への道筋に注目が集まります。