備蓄米放出も下がらないコメ価格:農水相の謝罪と現状分析

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2025年4月22日、江藤拓農林水産相は閣議後の会見で、「備蓄米を出しても店頭価格が下がらない。責任を重く感じている。申し訳ないと思っている」と謝罪しました。コメの高騰が続く中で、政府の対策が十分な効果を出せていない状況について責任を認める形となりました。朝日新聞

現在のコメ価格状況

農林水産省が4月21日に公表した全国のスーパー約1,000店の調査によると、コメ5キロの平均価格(4月7日~13日)は税込み4,217円で、前週より3円上昇し、15週連続の値上がりとなりました。これは2024年の同時期と比較して2倍以上の価格水準です。

備蓄米放出の現状

農林水産省は流通の目詰まりを理由に、以下の対策を実施しています:

  1. 3月から備蓄米計21万トンを放出
  2. 4月23日からの入札で追加10万トンを放出予定
  3. 7月の端境期まで継続的に放出を続ける方針

しかし、放出された備蓄米が流通に十分行き渡っていないのが現状です。農水省の調査によると、初回入札分約14万トンのうち、小売店に届いたのはわずか461トン(約0.3%)にとどまっています。

なぜ価格が下がらないのか

専門家や調査によると、備蓄米放出による価格下落が実現していない主な理由は:

  1. 流通の遅れ:物流や精米などを経て店頭に並ぶまでに10日以上かかる
  2. 落札構造の問題:これまでの入札ではJA全農が9割以上を落札し、取引先の卸売業者へ流通させているが、卸売業者間での転売を認めていなかったため、一部の小売店には届きにくい状況だった
  3. 供給不足感の継続:コメ全体の需給は依然として引き締まった状態が続いており、多くのスーパーでは購入数量制限を設けている
  4. 備蓄米以外の仕入れ価格が下がっていない:主力商品の仕入れコストに変化がないため、販売価格が高止まりしている

今後の対策と見通し

農林水産省は状況改善に向けて以下の対策を実施します:

  1. 4月23日からの3回目の備蓄米入札では、卸売業者同士の売買を認める方針に変更
  2. 備蓄米放出を継続して市場への供給量を増やす

専門家の見方としては、次のような指摘があります:

  • 「最後に放出された10万トンがすべて店頭に並ぶのは5月のGW明け頃」
  • 「価格が落ち着いてきても、仕入れ価格の高さや農家の肥料などのコスト増を考えると、5キロ4,000円の米が3,300円程度になるのが限界」
  • 「今年秋に新米が出回るまでは現在の価格水準が続く可能性が高い」

長期的な課題

コメ価格高騰の根本的な問題として、多くの専門家が「コメの生産量が足りていない可能性」を指摘しています。昨年の猛暑による収穫減少などの影響が続いており、市場の不安感払拭には供給量の安定確保が不可欠です。

また、一部の分析によれば、農協による流通調整や政府の農業政策のあり方も価格高騰の要因として指摘されています。今後の収穫量増加に向けた対策や、流通の改善などが求められています。


江藤農水相の謝罪は、コメという日本の主食の価格高騰が続く中で、政府の対策に対する反省を示したものです。備蓄米放出という対策が始まったものの、まだ十分な効果が表れていない現状を認め、今後も継続的な対応を進める姿勢を示しています。

消費者としては、専門家が指摘するように、買いだめなどの行動は混乱を招くため、通常通りの購入を続けることが望ましいとされています。

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